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運動会

もうすぐ、運動会です。
 朝、目が覚めて、今日もまた運動会の練習があるんだと思うと、太郎君のお腹はきりきりと痛みましした。

 太郎君は小学校3年生。3年間6位にしかなったことがありません。6人中の6位です。
「一生懸命走ればそれで良いのよ。」
お母さんは笑うけど、笑い事ではありません。
「ビリだって良いんだよ。」
 運動会っというとお父さんは何故だか張り切って一番前の場所をとり、一番後ろを走る太郎君をビデオに収めます。
 ビリで良いわけありません。
 一番後ろを走る自分のビデオなんて見たくもありません。
 太郎君のお腹はますます痛くなってきました。

 太郎君は、学校を休むと泣きました。けれどお母さんは学校を休ませてはくれません。
「ずる休みは駄目よ」
 仕方なく、重いランドセルを背負って太郎君は家を出ました。ところが、学校が近づくと太郎君のお腹はますます痛くなって足も動かなくなってしまいました。
 太郎君はくるりと向きを変え公園に行きました。公園には誰もいません。お腹ももう、痛くはありません。
「よーーい、ドン」
 誰もいないはずなのにどこからか小さな小さな声が聞こえてきます。太郎君はきょろきょろと当たりを見回してみましたがやっぱり、だーれもいません。
「よーーい」
 また、聞こえました。
 小さな小さな声です。
 太郎君が足下を見ると、蟻やキリギリス、青虫などが一列に並んでいました。
「ドン」
 コガネムシの合図でみんなが一斉に動き出しました。一番後ろにいるのは青虫です。
 太郎君はこの青虫を心の中で応援していました。でも、青虫は6匹中6位。太郎君はふーーーっと大きなため息をつきました。それに反応するかのように青虫はクイッっと顔をあげました。
「残念だったね。」
 太郎君がそう言うと青虫はコテっとひっくり返ってしまいました。
「大丈夫?」
「ちょっとびっくりしたもんだから…」
 のっそり起きあがりながら青虫は言いました。
「ボク、運動会なんて大嫌い!」
 太郎君が言うと青虫は不思議そうに太郎君を見つめました。
「ボクは好きだよ」
「6匹中6位でも?」
「順位なんてどうだって良いんだ。一生懸命走って、ゴールにたどり着いて、おまけに昨日より早くなっていたら!」
 青虫はそう言って笑いました。
「そうすると、今日もボクなんて100点満点!昨日よりちょっと早かったし、ゴールまで行けたし…」
 青虫の話はまだまだ長くなりそうです。

 運動会当日。
 お母さんは、おいしいお弁当を作ってくれました。
 お父さんは、いつものように早起きして場所を取りました。太郎君の番になるとやっぱりいつものようにビデオを構えました。
「よーーい、ドン」
 太郎君はやっぱり6位でした。
「来年は5位になれるさ」
 太郎君の肩に白い蝶々がとまりました。 
  
                                      おしまい
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