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お話の種

ぼくは、もう、ここ何日も誰とも話をしていない。

原因はコイツ。妹のさき。3歳になるさきはチビ怪獣だ。
僕の大事なものをドンドン壊す。
でも、みんなニコニコ笑っているだけだ。

僕がぷんぷん怒ったら
「お兄ちゃんなんだから」
って、僕が怒られた。

好きでお兄ちゃんになったわけじゃない。
こうなったら、ストライキだ。誰とも話してやるもんか。

「にいたん」

話しかけてきても、ぷんっとそっぽを向いてやる。

「にいたん」

握りしめていた何かを机の上においた。

「たね。おはなし。おはなしのたね」

さきはそんなことを言った。

お話の種?そんなものあるわけがない。

「にいたん、たね。」
あんまりしつこく言うから、つい、見てしまった。

「おはなしのたね」


きゃきゃっと笑ってチビ怪獣は行ってしまった。

「なんだよ。」
ゴミ箱に捨ててしまおうかと思ったけど、ちょっとだけ気になって、僕は、その種を庭に埋めた。

毎日毎日、水をあげていたたら芽が出てきた。
ママに言ったら
「すごいわねーーー」
っと褒めてくれた。

毎日毎日、水をあげていたら葉っぱが出てきた。
パパに言ったら
「すごいなぁ」
っと褒めてくれた

毎日毎日水をあげていたら、グングン茎が伸びて蕾をつけた。
さきにみせたら、キャキャっとよろこんだ。

毎日毎日、水をあげていたら、とうとう花を咲かせた。

もう、夏だ。

「なんだよ。」

それは、ひまわりだった。

「良く育てたねぇ」
ママが笑った。
「ホントだなぁ。えらいえらい。」
パパは、ポンポンっと僕の頭を撫でてくれた。
さきは、キャキャっと笑って僕に抱きついてきた。

僕はちょっと誇らしかった。

さきは、あいかわらずのチビ怪獣だ。

僕のものをドンドン壊す。

でも、ママは最近僕のみかただ。
「さきちゃん、それはお兄ちゃんのでしょ。」

さきは、きゃきゃっと笑ってわかっているのかわかっていないのか良くわからない。
でも、僕は、お兄ちゃんだから、ちょっとだけ我慢する。
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